ATOK for iOSを便利に使う方法と残る不満
ATOKは「正しい」日本語を意識して文章を書く人には、値段を超えるサービスを提供してくれます。それはiOS版でも同じ。
3,000〜5,000字程度のブログ記事ならiPhoneでサクッと書いてしまう僕が、ATOK for iOSを使い込んで解説します。
ATOK for iOS [Professional] の料金
ATOK for iOS は、ATOK Passport プレミアムでのみ利用可能です。ベーシックでは使用不可。
JUSTSYSTEM と直接契約すると月額660円ですが、App Store 経由での契約は月額950円と大幅に値上がりします。App Storeで支払うことに特別な思い入れやこだわりがなければ、Just MyShopで直接契約しましょう。
年間契約もありますが、月額契約と金額は変わりません。(普通は年払いだと少し安くなるんですけどね〜)
Android 版はベーシックで使える通常版とプレミアムで使えるプロフェッショナル版がありますが、iOS版はプロフェッショナル版のみです。
ATOK for iOS [Professional] で快適な日本語入力
ATOK for iOS は、iPhone / iPad の日本語入力環境として最高に快適なキーボードアプリだと評価できますが、ちょっとした設定の小技を覚えるとさらに便利に使いこなせます。
ATOK for iOS [Professional] に単純に値段分の価値があるか?と聞かれたら、正しい日本語を意識して文章を書く人には「ある!」と自信を持って答えます。が、iOS版単体ではちょっと厳しいかな。Mac や Windows でも ATOK を使うなら、間違いなく値段分を超える価値ありです。
iPhone のキーボードにATOK Proを追加する
ATOK for iOS [Professional] を起動すると、使用可能にするための設定方法のガイドが最初に表示されますので、サードパーティ製の日本語入力システムを初めてインストールしたユーザーも迷うことなく設定できるのではないでしょうか。
使用するにはiPhone標準の設定アプリを開いて、
ATOK PRO > キーボード
をタップします。
- ATOK PRO
- フルアクセスを許可
の両方をオンにします。
次に、iPhone標準の設定アプリで
一般 > キーボード > キーボード > 新しいキーボードを追加
から「ATOK PRO」を選びます。
ATOK PRO が追加されたら、キーボードの「編集」ボタンをタップして、「三」ボタンを使って一番上に移動させると、ATOKが優先的に使われるキーボードになります。
後はアプリ等で文字入力状態になったときに、キーボード選択ボタンをロングタッチして、表示されたリストから ATOK PRO を選択するだけで、快適な日本語入力が可能になります。
ATOK PRO を使い始めたら、便利すぎて標準の日本語入力システムは使わなくなるという人もいると思います。その場合は、設定アプリのキーボートのところで削除しても良いと思います。もちろん、また標準の日本語入力システムを使いたくなったら、上記の手順と同様の方法で再度追加することもできます。
ATOKらしい快適な日本語入力
ATOK PRO が使えるようになった状態では、文字入力を始める前には変換候補枠の左にATOKのロゴが表示されて何だか嬉しくなります。入力方法は、標準キーボードと同様にフリック入力です。
(フリック入力のコツは別の記事をどうぞ)
パソコンで文章を入力するのと同様に、どんどん文章を書き込んでいけば高い精度でかな漢字混じりの文章に連文節変換してくれます。変換中の文章が画面に見えなくなった場合は、文章部分を左へスワイプ(指でシュッと滑らせる操作)すれば、隠れていた文も表示されるので、変換を確認することが出来ます。
ATOKで文章を作成するコツ
かな漢字変換エンジンが連文節変換に対応しているので、最高の変換精度を味わうためには途中で区切らずに一文を一気に入力することです。
ただ、スマートフォンでの文章作成では、キーをタッチする回数を減らす工夫をした方が、トータルでは早くなると言うこともあります。
ATOK Pro の予測変換は賢くて、使い込んでいくと手に馴染んでいきますので、積極的に利用するとよいのではないかと思います。
というわけで、タイピングはゆっくりめでもいいので、誤入力しないように気をつけつつ正確さを意識しながら文字を入力して、予測変換を積極的に使うという入力方法をおすすめします。
ATOKを便利に使う
クラウド辞書を使う
ATOK for iOS [Professional] では、クラウド辞書が使えます。
Mac や Windows では、変換候補の横に表示される、オンライン辞書です。入力しようとしている言葉の正しい意味や、言い回しが正確かどうかなど、辞書を使って調べることができます。
ATOKでクラウド辞書を使うメリットは、入力途中で調べられることです。
入力を中断して辞書のアプリを立ち上げて検索したり、Gboardのようにいったん確定してググって意味を確認する手間がありません。
入力途中で変換候補をタップして触ったままにすると、オンライン辞書の検索結果が表示されます。
辞書を確認して、問題がなければ右下の「確定」で変換を確定できます。
そのまま入力を続けたい場合は、左下の「閉じる」をタップします。
利用可能な辞書
- 広辞苑
- 大辞林
- ウィズダム英和辞典
- ウィズダム和英辞典
- 三省堂 故事ことわざ・慣用句辞典
- 敬語のお辞典
和英辞典があるので、英文を書いているときに、言いたいことの単語が浮かばないときに大助かりです。
個人的に、広辞苑・大辞林・ウィズダムの辞書アプリを購入して日常的に使っているので、アプリを起動しなくてもATOKの中で直接使えるのは素晴らしいとしか言い様がないです。
自分的には、この機能だけでも月額料金を支払う価値があります。
専用キーを使ったカーソル位置の移動
文章の入力中には、文字の修正や追加でカーソル位置を移動したくなることがよくあります。標準の日本語入力システムでは、文章をタップしたり指でなぞるようにしてカーソル位置を動かす必要がありましたが、ATOK for iOS ではカーソルボタンを使用することができます。
フリック操作で一行まるごと削除
ATOK for iOS では、文字の削除も便利にできるように工夫されています。
キーボード右列の一番上に削除キーがあって、普通にタップすると左の1文字が削除されますが、左にフリックすると前の文章の句読点(「。」)までの1文が丸々削除されます。削除キーを上にフリックすると、右側の1文字が削除されます。
こういった編集機能は、何かと役に立つのでありがたいです。
文節の区切りを変更して効率の良い漢字変換
文章を入力していて、文節を区切りを変更したくなった場合や、文章が長くなりすぎて変換候補が表示されなくなった場合は、キーボード左の「変換」ボタンをタップします。
適切な言葉をタップするか、画面下の「確定」ボタンをタップすれば、選択されている文節ごとに確定されていきます。
文節の区切りを変更したい場合は、画面下の矢印ボタンで伸ばしたり縮めたり出来ます。
素晴らしい!とても快適に日本語が入力できます。
確定した文字を再変換する
勢い余って確定してしまった文字を、別の字に再度変換したい場合があります。
ATOK for iOS の場合、左上にある丸い矢印のキーをタップすると、最後に確定した文字の変換をやり直せます。
確定した文字が取り消されて、変換候補に表示されますので、別の漢字を選ぶことができまず。
ATOKのユーザー辞書に単語登録
いくらATOKが賢いとは言っても、全てのユーザーが必要とするすべての言葉が登録されているわけではないので、必要に応じてユーザー自身が単語登録を行って変換精度を高める必要があります。ユーザー辞書に単語を登録するには、ATOK for iOS アプリのアイコンをタップして起動し、ツールを使用します。
ATOK アプリのホーム画面から、
ツール > 単語一覧 > ユーザー単語
という画面を表示して、画面右上の「+」ボタンをタップして新規単語の登録を行います。
単語の品詞を自由に設定できますので、ATOKらしい高精度な候補選択に活かされるはずです。
iPhoneを機種変更した場合も、iCloudやパソコンにユーザーの環境をバックアップして、新しいiPhoneに復元すれば、ATOKに登録した単語もそのまま移行できます。
ATOKをもっと便利に使う設定
ここまでは標準的な使い方でしたが、それでも流石ATOK、サクサクと日本語入力ができて最高です。変換候補や予測変換の精度が高いだけでなく、文節の区切りを簡単に変更できるし、カーソル位置も自由に移動できます。
ここからは、ちょっとした工夫でもっと便利に使う方法です。
キーボードのスタイルは左右カーソル表示
好みの問題かもしれませんが、3種類選択できるキーボードのスタイルでは、カーソル移動キーが左右に表示される「カーソル」スタイルが良いと思います。
文章を入力していて、途中の部分を書き換えたくなったとき、画面上で指を滑らせて修正したい場所にカーソルを移動させますが、ちょうど狙ったところに入らなくてイラッとすることがよくあります。
一文字前とか、一文字後ろとか、カーソルを自在に移動させることができたら便利です。
ATOK for iOS では、標準ではカーソル移動キーが右側の列にあって、普通にタップすると右に移動、左にフリックすると左に移動します。これで十分という気もしなくはないですが、何文字か左に移動したい場合はちょっと面倒です。
そこで、キーボードのスタイルは「カーソル」を選択して、左の列に左向きのカーソルキーを表示します。
選択方法は、ATOK for iOS の設定画面を開いて
設定 > キーボードのスタイル・デザイン > スタイル選択
と進んで、「< 」や「>」をタップして「カーソル」を選択します。
この方がカーソル移動操作は直感的で、便利に感じますね。
ちなみに、キーボードスタイルの別の選択肢には
ATOK 標準スタイル
Apple 純正スタイル(+カーソルキー)
があります。
ATOKならではのフリック操作で入力文字種選択
文章の途中でアルファベットや数字を入力することも良くあります。画面左列にある入力文字種選択キーをタップすれば、タップする毎に入力文字種が変わって、ひらがな→アルファベット→数字と変わって、もう一度タップするとまたひらがなに戻ります。
この操作でも入力文字種を切り替える目的は果たせますが、数字の入力とひらがなの入力を行き来すると面倒です。
文字入力の切り替えにも、フリック操作が使えますので活用しましょう。
- 上にフリック: ひらがな入力
- 右にフリック: アルファベット入力
- 下にフリック: 数字入力
となりますので、数字とひらがなの行き来も一発です。
フリック入力のコツや覚え方についてはこちらの記事をぞうぞ。
ATOK独自の変換キーを活用する
ATOK for iOS では、単文節単位で変換するより、文章をだーっと入力してまとめて変換した方がかな漢字変換の精度が上がって効率よく入力できます。
変換候補に表示された漢字が希望のものであればそのまま確定すればOKですが、いくら精度が高いと言っても違う漢字が候補に表示されていることもあります。
そんなときは、「変換キー」をタップしましょう。「カーソル」スタイルに設定している場合、文字の入力中はスペースキーだった場所が変換キーに変わります。
基本のところでも書きましたが、変換画面では文節を伸ばしたり縮めたりも自在にできますので、入力したい漢字を素早く選択できます。
空白の半角・全角の選択はフリック操作で
文章を書いている途中で空白を入力することもあると思います。例えば、氏名を入力するときに名字と名前の間に空白を入れるとか。
空白文字は、半角で入力したい場合と全角で入力したい場合があると思いますが、ATOK for iOS ではスペースキーのフリック操作で自由に選べます。
初期設定では、日本語の入力中にスペースキーをタップすると全角で空白文字が入力されますが、スペースキーを下にフリックすると半角で入力できます。
設定の中の「空白を半角入力」をオンにしていると動作が逆になって、「空白」ボタンのタップで半角空白が入力され、下にフリックすると全角空白が入力されます。
半濁音もATOKならフリック操作で一発
半濁音とは、「ぱぴぷべぼ」のように「p」の音のことです。
iOS 標準のギーボードでは、「はひふへほ」のどれかを入力した後に左下の「小」ボタンを2回タップしないといけませんが、ATOK for iOS ならこのボタンを右にシュッとフリックするだけで、一発で半濁音になります。
ホントにちょっとした差なんですが、たくさん文字を入力しているとこれが快適なんですよ。慣れてしまうと、もう標準のキーボードには戻れません。
ロングタップで操作を選択
ATOKの「A」キーをタップして触ったままにすると、キーボードの選択や設定画面をサクッと呼び出せる画面が表示されます。
設定画面で「使用するキーボード」に絵文字や顔文字を選択していなくても、この画面から一発で選択できますので、たま〜にしか使わない兄貴達はここから呼び出すのが便利だと思います。
ユーザー辞書をMacやWindowsと同期する
ATOK Sync アドバンスに対応しているので、Mac や Windows PC とユーザー辞書に登録した単語を同期することが可能です。
さらに、iOS 標準のユーザ辞書から登録済みの単語を自動で一括取り込みと、iPhone の連絡先に登録している情報から人名(性・名)を単語として一括登録する機能もあります。iPhone で標準の日本語入力システムを使い込んでいる人も安心して ATOK に移行することができます。
どんなに賢い変換エンジンを搭載した日本語入力システムでも、必要な単語が登録されていなければ変換ができません。なんだかんだと言っても、自分が育てたユーザ辞書を使えるのが一番便利な日本語入力ですよね。
ATOK Passport を使えば、最大10台までのMacやPCでも最新版ATOKが使えるし、ユーザ辞書をiPhoneやAndroidと同期できるので、どの環境で辞書を育てても全て別の環境にも反映されます。これは嬉しい。
ちなみに、ATOK Sync アドバンスというのは、ATOK 2011以降のバージョンに提供するATOKのユーザー辞書などの同期サービスです。ATOK 2010以前のバージョンは対象になりません。
Macでは macOS 標準の日本語IM(旧ことえり)を使っている場合、Mac側で登録した単語がiCloud経由でiPhoneに同期されていますので、ATOKで時々単語の一括取り込みを行います。以前に取り込んでいる場合は、まだ取り込まれていなかった差分だけが登録されます。
これ、できれば手動で操作しなくても、自動で純正ユーザー辞書を参照してくれたら最高なんですけどね。
Apple日本語入力の場合、iCloud経由で同期されるのはユーザー辞書に登録した単語だけですが、ATOKの場合は確定によって胃学習した内容も同期されます。パソコンを買い換えても、手になじんだ入力がそのまま引き継がれるんですね。
Spotlightでインクリメンタルサーチを活用
iPhoneの画面を下にシュッとスワイプすると、画面の上に「Spotlight検索」という入力窓が表示されます。ここから連絡先やメモやメールなど色んな情報を呼び出せるのですが、アプリを立ち上げることもできるんです。この時、純正の日本語入力と同じように、インクリメンタルサーチが可能です。
インクリメンタルサーチとは
インクリメンタルサーチというのは、文字を入力するたびに候補が順次絞り込まれる機能です。アプリの名前を入力していくと、数文字入力しただけで候補に希望のアプリが表示されるので、どんなに沢山のアプリがインストールしてあってもサクッと立ち上げることができるんですね。
ホーム画面を何回も横にスワイプして、沢山あるアプリの中から目的のものを探すのって面倒だし非生産的な作業ですよね。Spotlightのインクリメンタルサーチで、スマートに使いこなしましょう。
キーボードの大きさと位置を好みに変える
ATOKには、大型化し続けるiPhoneの画面で指が届きにくいという問題に対応して、キーボードの大きさと位置を自分の好みに合わせて変更できるようになっています。
ATOKアプリの設定から、
キーボードのスタイル・デザイン > サイズ・位置
と進んで設定します。
キーボードの大きさ、上下左右の位置を好みに合わせて変更できるので、利き手で親指をグルッとまわしてみてちょうど入力しやすいサイズと位置にすると快適です。
個人的にはやはり、3.5インチ/4インチ時代のiPhoneのキーボードサイズがちょうど入力しやすいですね。慣れの影響が大きいと思いますが。
ATOK for iOS に残る不満
入力途中の文字を修正できない
文章を入力していると、打ち間違いをしてしまった状態で続きを入力していたことに気づいて、途中の文字を修正したいことってありますよね。
標準の日本語入力キーボードだと、直接修正したい場所をタップするだけで済みますが、ATOK for iOS ではこれができません。せっかくあるカーソルボタンも、入力途中では効かなくなっていて、確定になってしまいます。
これは日本語入力ソフトして、かなり重大な欠陥ではないかと思うのですが、ジャストシステムを修正する気がないのか、ずーっと放置されたままになっていますね。
打ち間違えなければいいんですけど、そうもいかないですよね。使い込んでいくとこれがなかなかにストレスです。ATOKから他の日本語入力ソフトに切り替える理由として、結構大きいものになっているのではないでしょうか。
Apple純正日本語入力では、修正したい箇所をタップする以外にも、3D Touchを使ったカーソルモードでササッと修正箇所にカーソルを移動させたり、そもそも打ち間違いがあってもそれを補正する機能があります。
入力した文章に正確な漢字を選択する“変換精度”自体はまだATOKに軍配が上がりますが、その差もすごく小さなものになったように思います。
何より、文章を書いていく上での快適さは、タイポ補正機能がある純正キーボードの方が上ではないかと個人的には感じますね。(ATOKも現在のバージョンではタイポ補正機能を搭載しています)
そして、サードパーティ製のキーボードアプリでも、入力途中の修正ができるものがありますので、もう言い訳できませんね。特にGoogle日本語入力の公式版Gboardの使用感はApple純正日本語入力とほぼ同じですし、片手キーボードProはサードパーティ製ならではの追加機能がありますので、ATOKは改善の努力が必須でしょう。
日付入力の種類が物足りない
【解決】この問題は、[Professional] で解決しています。
イマドキの日本語入力プログラムでは「今日」とか「昨日」を変換すると、「2020/11/23」「11/23」などの選択肢が出てきます。
ATOKの場合、西暦付きを選択することができないんですよ。これが致命的な問題ということはないですが、地味〜に不便です。
変換候補の表示幅がキーボードと一緒に狭くなる
キーボードのサイズを自由に変更できるのは、ATOKを使う大きなメリットの一つなんですが、テンキーの幅を狭めると変換候補を表示する枠の幅も一緒に狭くなってしまいます。
なんか、アホっぽい…
ATOKは文節単位で変換するより、長文を入力した方が変換精度が良くなるという特徴があるので、画面の横幅いっぱい使うのは当然、二行で表示するとか変換候補の領域を大きくとる工夫をするべきだと思うんですよね。
自社製品のメリットを最大に活かせるように細部までとことんこだわるという姿勢がないあたりに、昨今のATOKブランド全体に漂う残念感の原因があるように感じます。
濁点・半濁点・小文字の入力を省略できない
Apple日本語入力やGboardでは、濁点・半濁点・小文字の入力を省略しても、変換候補に希望の変換が表示されます。
これによってキーをタップする回数がグッと減るので、文章作成の効率が大きく変わります。約30%の省力化なので、かなり大きい。
ATOKの場合、この機能があるにはあるんですけど、ごくわずかにしか機能しないので、実質存在しないも同然の状態です。Apple 日本語重力と同じような感覚で濁点を省略して入力していると、思ったように変換してくれなくて結局最初からやり直しになってしまうようだと、むしろ文章作成効率が悪化します。
iPhoneで文章を書いているときには、とても便利に感じる機能なので、ATOKでも是非搭載してほしいです。
今後に期待
iPhoneやiPadでサードパーティ製のキーボードが使えるようになったというだけでフィーバーしたのはもう過去の話。標準のキーボードに見劣りする部分は改善して、負けている部分をなくしてほしいですよね。
特に入力中のカーソル移動は、快適に文章を書くためにはとても重要な課題ですよ。
標準のキーボードの日本語入力・変換の完成度は高くなっていて、さらに補正機能など快適性能まで搭載しています。純正キーボードも「片手モード」を搭載して、左右のどちらかに寄せて小さく表示できるようになりました。上下にはサイズを変更できませんし、左右の大きさも自由に調節できるわけではないのですが、それでもだいぶ便利になりました。
逆に言うと、サードパーティ製キーボードの利点は、サイズを変更できるところのみになってきているかもしれません。しかし、ATOKでキーボードのサイズを小さくすると、変換候補の表示範囲まで狭くなってしまうという賢くない仕様はどうにかして欲しいところです。いくらATOKといえども、変換の「賢さ」だけでユーザーを引きつけ続けることは難しくなっていくでしょう。
最後に
ATOK for iOS は、スマートフォンの日本語入力環境として現時点では最強と言えると思います。変換効率の良さやキーボード設定の柔軟さ、文章を入力するときの快適さの工夫など、とても良くできていると思います。
文字の入力以外の操作(入力文字種の変更など)でもフリック操作を活用すれば、さらに快適になるのは間違いありません。
Google日本語入力と同じmozk(もずく)変換エンジンを搭載したキーボードアプリも、有料・無料を含めて多数公開されていますが、ATOK for iOS なら格段に快適な日本語入力環境が手に入りますので、「安物買いの銭失い」になるよりはこちらを買っちゃった方がお得!って思いますね。
ATOK for iOS は買う価値があるのか?
【追記2022/02/03】ATOK for iOS にクラウド辞書機能が追加されるなど、Passport 対応になって本格的な改良が行われるようになりました。今後の開発にも期待しています。
クラウド辞書機能は、正しい日本語で文章を作成しようと心がけている人には、とても役に立ちます。これだけでも料金分の価値ありです。
辞書を参照しながら「正しい」日本語に気をつけながら文章を書く人には、最もオススメできるキーボードアプリです。しかし、かな漢字変換の精度だけで考えたら、月額660円の料金を正当化するのはちょっと厳しいかなと思います。
個人的には、いつか入力途中の修正や濁点の入力省略ができるようになると期待して、サブスク料金を払い続けようかなと思っています。
【追記2023/01/25】結局、ATOK Passport の年間契約を更新して使い続けています。なんだかんだいっても、使い続けていると手に馴染んで手放せなくなるのがATOK。それはiPhoneでも同じでした。