iPhoneで空間オーディオを満喫しよう

2008/11/20

音楽を聴くとき、より臨場感のある音響体験を求める人が増えています。そこで注目されているのが、「空間オーディオ」です。

この特集では、「空間オーディオ」とは何か、どのように音楽を楽しめるかについて、初心者にもわかりやすく技術的に詳しく解説します。

空間オーディオとはどんな技術なのか

「空間オーディオ」とは、音声を聞く人を音の空間の中にいるかのように感じさせる技術です。

音が上下左右に広がり、奥行きまで感じることができます。

この技術を使うことで、音楽をより臨場感たっぷりに聴くことができます。

人間の耳では空気の振動を感じていて、振動の情報が神経を通って脳に伝わって、脳が情報を処理して音として理解します。

空気の振動が鼓膜に届くまでに、周囲の壁や地面に当たって反響したり、自分の体に当たって変化したりします。

周囲の空間の状況によって生じる音のズレや反響と、過去の経験を照らし合わせることで立体的に音を感じ取ります。

人間が音を感じて周囲の立体の情報を判断する仕組みを利用して、機械的に音のズレや反響などを作り出す技術が空間オーディオです。

脳がだまされて立体感を感じることで、スピーカーから出ている音を聞いているかのような感覚になるんですね。

ハイレゾも音の情報が豊富になったからこその臨場感を感じられますが、空間オーディオはハイレゾとは違う趣味だなと思います。

空間オーディオのメリット

空間オーディオを聴くことで、従来のステレオ音声とは次元が違う臨場感のある音響体験をすることができます。

特に、映画や音楽のライブ映像を見るときに、より迫力のある音を楽しむことができます。

Apple Music LIVE など、ライブ音源の配信サービスで威力を発揮します。

Dolby Atmos (ドルビーアトモス) と 360 Reality Audio (さんろくまるリアリティオーディオ)の比較

空間オーディオの代表的な技術が、Dolby Atmosと360 Reality Audioです。

Dolby AtmosはApple Musicで採用されたことで話題となった立体音響技術です。元々映画の立体音響として広く使われていましたが、Dolby Atmosの規格にはイヤホンやヘッドホン向けも作られています。それを使ったのがApple Musicの空間オーディオです。

360 Reality Audioは、ソニーが主導して普及を進めている立体音響技術です。360 Reality Audioは、Amazon Music Unlimited や Deezer で使われている空間オーディオ技術です。

それでは、とっちが立体音響として良いの?と気になりますよね。

同じ曲のDolby Atmos版と360 Reality Audio版で聴き比べました。

気になる比較の結果は、こちらの記事をどうぞ。

空間オーディオの立体感を同じ曲で比較: Dolby Atmos vs 360 Reality Audio

Apple Music 空間オーディオ

Apple Music の空間オーディオは、Apple 製のイヤホンやヘッドホンじゃなくても体感できます。太っ腹!

設定を変更して、常にDolby Atmosでストリーミングすることで全てのイヤホン・ヘッドホンで楽しめます。有線のイヤホンやヘッドホンでも、Bluetooth のワイヤレス製品でも大丈夫。

もちろん、AirPods 製品で個人に最適化した立体音響が最高なんですけど、最適化していなくても充分な臨場感があります。

空間オーディオの設定方法について、詳細は下記の記事をご覧ください。

Apple Music 空間オーディオを全イヤホンに対応する設定

AirPods で空間オーディオ

AirPods(第3世代以降)・AirPods Pro・AirPods Maxでは、ステレオを空間化という機能が使えます。

この機能を使うと、通常のステレオ音源の全てを、立体音響に変換して楽しめます。

例えば、YouTube とか Spotify といった、空間オーディオに対応していないサービスを使う場合も立体音響で楽しめるんです。

AirPods Pro/Maxでステレオを空間化して立体音響に変換

AirPods Pro/MaxならYouTubeで空間オーディオが楽しめる

AirPods Pro/MaxならSpotifyで空間オーディオを楽しめる

空間オーディオのパーソナライズ

空間オーディオの立体感は、パーソナライズして個人に最適化することで、さらに広がりが出るようになります。

Face ID に対応したiPhoneなら、距離センサーを使って顔の凹凸を認識することができます。この機能を使って、耳の形をAIが認識して、個人に最適化した立体音響を創り出します。

AirPods Pro をパーソナライズして空間オーディオの立体感を最適化

ダイナミック・ヘッドトラッキングは立体感を補正する機能

「ダイナミックヘッドトラッキングサウンド」とは、音声を聞く人の頭の動きに合わせて音の方向が変化する技術です。

これにより、音場を正確に再現することができます。

AirPods ProやAirPods Maxにはこの技術が搭載されており、よりリアルな音響体験をすることができます。

ダイナミック・ヘッドトラッキングは、横を向くと音が聞こえてくる方向が変化するという機能です。映画や動画を見ているときにはありがたい機能ですが、音楽を聴いているときには何の役に立っているのでしょう?

実はダイナミック・ヘッドトラッキングは、立体感を補正して個人に合わせて微調整してくれる機能でもあるんです。

音楽を聴いているときには音が聞こえてくる方向の変化は必要ないと思う場合など、必要に合わせて設定を変更すると良いと思います。

ヘッドトラッキングとは空間オーディオの立体感を補正する機能です

空間オーディオを最高音質で聴きたいなら標準設定

AirPods Pro/Maxで空間オーディオを聴く場合、完全にデフォルト(標準設定)のままにするのがベストな音質になります。

AirPods Proで空間オーディオ最高音質は標準設定

Amazon Music 空間オーディオ

Amazon Music Unlimitedは、Dolby Atmosと360 Reality Audio両方に対応しています。

Apple Musicでは空間オーディオに対応していない曲が360 Reality Audioの立体音響音源で提供されていたり、Apple MusicではDolby Atmosになっている曲がAmazon Music Unlimitedでは360 Reality Audioだったり、色々とあります。

立体音響を愉しむのであれば、有力な選択肢ですね。

Amazon MusicをiPhoneで味わい尽くす – 空間オーディオとハイレゾを満喫できる

空間オーディオにお薦めのイヤホン・ヘッドホン

Dolby Atmosの空間オーディオを愉しむのであれば、Apple製イヤホン・ヘッドホンが良いです。AirPods Maxは少々お高いので、AirPods Proがオススメです。

AirPods Pro の使いこなし方

360 Reality Audio の空間オーディオを愉しむのであれば、SONY製のイヤホン・ヘッドホンが良いです。

Wf-1000XM3は、360 Reality Audio 推奨で、完全ワイヤレスイヤホンでは最高クラスの音質。

安心の日本メーカーで値段も安い。全力でオススメです。

空間オーディオ向きのSONY WF-1000XM3が超お買い得になってる

有線接続のイヤホンで試してみたい場合、通称「ピヤホン」がオススメです。

まるでオーバーイヤー型のヘッドホンみたいな空間の広がりを感じられる音質なので、空間オーディオとも相性が良いです。

ピヤホンHi-Unit HSE-A2000PNは感動の高音質イヤホンで、ハイレゾにも空間オーディオにもオススメです

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