ヘッドトラッキングとは空間オーディオの立体感を補正する機能です

2022/01/09

Apple Musicの空間オーディオでAirPodsを使っていると、標準ではダイナミック・ヘッドトラッキングが機能します。

頭を動かしても、正面側から音が聞こえてくる機能です。

映画やミュージックビデオなど、映像付きの場合は素晴らしい機能だと思うんですけど、音楽を聴いているだけの時は余計なお世話ですよね。

それじゃ、何のためにダイナミック・ヘッドトラッキングがあるんでしょうか?

実は、空間オーディオの立体感の補正に重要なんです。

空間オーディオのダイナミック・ヘッドトラッキングとは

ダイナミック・ヘッド・トラッキングとは、Apple製のAirPods・AirPods Pro・AirPods MAXで空間オーディオを使っている時に機能します。

iPhoneを正面として、頭を左右に動かすと、音が聞こえてくる方向が変化します。常に正面から聞こえているみたいな感じになります。

空間オーディオの音は頭の周囲で鳴っているみたいに聞こえますので、前の方に固定されたスピーカーから出ている音を聴いているような感じになります。

iPhoneやiPadで映画を観たり、ミュージックビデオを観る時にはすごくいい機能なんですけど、作業をしながら音楽を聴いているだけの場合、はっきり言って余計なお世話なんですよね。

BGMの音が、聞こえてくる方向なんて変わらなくていいのに。

空間オーディオの立体感を補正するための機能

音楽をながら聴きしているときには余計なお世話だと感じるダイナミック・ヘッドトラッキングですが、何のために搭載されている機能なのでしょうか。

実は、立体感の補正を行うために重要なんです。

生物学的に、耳は空気の振動という情報を受け取っているだけで、「音」として理解・判断しているのは脳なんですね。

鼓膜に空気の振動が触れるときの微妙なズレや、壁などの周囲の物体から発生する反響などと、過去の経験を照らし合わせることで位置関係として認識します。

機械的に音のズレや反響を作り出すことで、たいていの人が立体的に感じる音響というものを作ることができます。

ただ、音のズレや反響の感じ方には個人差があるので、補正をかけてあげるともっとリアルな空間として音を感じられるようになります。

Appleは、自社製イヤホン・ヘッドホンに搭載されているジャイロセンサーを使って、補正をかけるようにしているんです。

今はダイナミック・ヘッドトラッキングに加えて、ユーザーの耳の形に合わせて最適化する機能が加わりました。

ヘッドトラッキングを固定した場合の違い

というわけで、ダイナミック・ヘッドトラッキング機能をオフ(固定)にすると補正が効かなくなる分、立体感に影響が出ます。

自分に最適化された立体感を味わうためには、オンにしておいた方がよいということです。

特に違いが感じられるのは低音域です。

ダイナミック・ヘッドトラッキングを使用した状態の空間オーディオでは、上質なスピーカーのウーファーが空気を振動させているような深さを感じます。

ヘッドトラッキングをオフ(固定)にすると、床から反射して伝わってくる低音の振動感が少し薄くなるような感じがします。

この立体感に違いを把握して、使い分けるのが良いのではないでしょうか。

コントロールセンターから設定

イナミック・ヘッド・トラッキングをオン/オフにするには、コントロールセンターを呼び出して、音量設定から機能をオフにします。

コントロールセンターを呼び出す

iPhoneの画面の下から、指でシュッと上方向にこすります。

音量調整をタップ&ホールド

コントロールセンターが表示されたら、音量調整をタップ&ホールド(タップして触ったままにする:ロングタップ)します。

空間オーディオ設定をタップ

画面一杯に音量調整機能が表示されて、画面下にノイズキャンセリングと空間オーディオの設定ボタンが表示されます。

空間オーディオのボタンをタップすると、空間オーディオの設定が表示されます。

空間オーディオの設定は3種類

  • オフ: 立体音響をオフにする
  • 固定: 音が聞こえる方向が固定された立体音響
  • ヘッドトラッキング: 頭の動きに合わせて音が聞こえてくる方向が変わる立体音響

ヘッドトラッキングが邪魔だと思う場合は、「固定」を選択します。

これで、音が聞こえてくる方向が変化しない立体音響になりました。

立体感を最大限リアルに感じたい場合は、ヘッドトラッキングをオンにします。

おわりに

文章を書いたり作業をしながら音楽を聴いている時とか、ダイナミックヘッドトラッキング機能で音が聞こえる方向が変化するのって、逆に気が散ってしまう余計な機能だと思うんですよね。

でも、映画とか映像付きの音楽の場合はありがたい機能だし、低音の質感が良い方が音楽を聴いていて楽しい。

というわけで、作業をしながら音楽を聴く時はオフ、映画を見る時はオンと使い分けるのが良いです。あと、じっくりと立体感とか低音の空気感を感じながら音楽に聴き入り時もオンですね。

コントロールセンターから簡単に設定できますので、必要な時にささっと設定しましょう。

空間オーディオやAirPods Proについて、詳しくはこちらで。

iPhoneで空間オーディオを満喫するには

AirPods Pro の使いこなし方

Apple Music を使いこなすコツ