ahamo, LINEMO, povoと格安SIMを比較
ネット契約専用で割安なプランを大手キャリアが用意しましたが、格安SIMと比べてお得なんだろうか?
料金とサービス内容を考えたら、自分に必要な契約内容はどれなのか気になりますよね。
いろんな角度で比較してみました。
比較したサービス
docomo ahamo
Softbank on LINE
au povo
楽天モバイル UN-LIMIT V
IIJmio
格安SIMからはIIJmioのファミリーシェアプランを選択しました。
理由は、特徴のあるサービスとして、一つのパケット通信契約に複数のSIMを登録してパケットを分け合うことができるので、大手キャリアと差別化しやすいと思ったので。
楽天モバイルはそもそも電波が圏外になる場所が多すぎるので、検討に値しないと思う人も多いかもですが。(ahamoが発表された時点で存在意義を失ってますよね…)
比較表
ahamo | SB on LINE | povo | UN-LIMIT V | IIJmio(音声通話) | |
月額(税別) | 2,980 | 2,980 | 2,480 | 2,980 | 3,260 |
パケット(ギガ) | 20GB | 20GB | 20GB | 無制限(自社回線) 5GB(パートナー回線) | 12GB |
残ったギガの繰越 | なし | なし | なし | なし | あり |
通信速度 | キャリア同等 | キャリア同等 | キャリア同等 | キャリア同等 | 混雑時低速 |
パケット使い切り後 | 1Mbps | 1Mbps | 1Mbps | 1Mbps | 200Kbps |
追加チャージ | 1GB 500円 | 1GB 500円 | 1GB 500円 | 1GB 500円 | 100MB 200円 |
5G | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 現状非対応 |
無料通話 | 5分 | 5分 | なし | なし | なし |
通話料 | 30秒20円 | 30秒20円 | 30秒20円 | 30秒20円 | 30秒20円 |
複数SIM (タブレット) | なし | なし | 検討中 | なし | 10枚 |
キャリアメール | なし | なし | なし | なし | なし |
海外ローミング | 無料 | なし | なし | 2GB | なし |
カウントフリー | なし | LINE | なし | なし | なし |
Wi-Fiスポット | d POINT Club | 不明 | 不明 | 362円/月 | 長期利用者特典 |
テザリング | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 |
NMP転出手数料 | なし | なし | なし | なし | 3,000円 |
追加オプション | なし | なし | トッピング 24時間データ使い放題/200円 5分間無料通話/月額500円 通話無制限/月額1,500円 | なし | 大容量データ通信 |
大手キャリア格安プラン(ahamo, on LINE)の特徴
大手キャリア格安プランの料金は、ahamoとSB on LINEが2,980円で同じ、povoが2,480円で最安値、3社ともパケット量(ギガ)は20GBで同じ。その他の条件もほとんど同じ。
違いはというと、
- ahamo: 海外ローミング無料
- SB on LINE: LINEがカウントフリー, eSIM対応
- povo: 必要なサービスを「トッピング」として追加可能
となります。
日本人の場合、政府の試算ではユーザーの90%以上は20GB以内に収まるとのことなので、20GBもあればほとんどのユーザーにとっては充分で、特に気を使わずに使っていても足りなくなることはまずないでしょう。
パケット(ギガ)を使い切った後も、通信速度は1Mbpsと高速に設定されていますので、遅くて使い物にならないということはないと思います。
通信速度が1Mbpsあれば地図アプリの利用でも困ることはなくて、カーナビとして使っている人も安心ですし、音楽のストリーミングなんかも全く問題ない速度です(ハイレゾストリーミングを除く)。事実上の通信量無制限と捉えてもいいでしょう。
連絡手段としても通話手段としてもLINEがメインになっている人にとっては、通話も実質完全無料になりますので、SB on LINEのカウントフリー(ギガの使用にLINEを含めない)という制度はありがたいですよね。
LINEのメッセージ送受信と通話が無料になることを重視するならSoftBank on LINEですね。
同様に、国内音声通話なんてほとんど使わないという人も増えていると思いますので、5分間の通話が無料になる機能がオプション扱いになっている povo は魅力ですね。
さらに、povoのトッピングとして200円で24時間データ通信(ギガ)使い放題というオプションがあります。一ヶ月内で10回このトッピングを購入したとして、月額4,480円です。データ通信を中心に考えたら、povoが最も有力な候補ではないでしょうか。
旅行や出張で海外に行く機会が多い人の場合は、ahamoの海外ローミングが無料というのはありがたいですね。docomoの他のプランの海外ローミングよりも提供国が少ないとはいえ、無料で海外ローミングが付属するのはすごいですよ。
大手キャリア格安プランのデメリット
通常の大手キャリアプランには通常、キャリアメールが付属します。@docomo.co.jpとか@softbank.ne.jpとか@ezweb.netってやつです。
ahamo, SB on LINE, povo にはこのキャリアメールがありません。
通知サービスなどにキャリアメールを登録している場合、切り替えが面倒かも、と思いますが、今はもうLINEやiMessageやSNSで連絡を取ることの方が多いと思いますので、キャリアメールを使うことはほぼないのではないでしょうか。
もうひとつのデメリットが、家族割等の対象から外れてしまうということです。
ドコモもソフトバンクも、家族まとめて3人以上で契約すると大幅な割引が受けられるので、全員分を個別に契約する場合と比べて支出を抑えられるという仕組みがあります。
ahamoやon LINEは個人単位で契約するのプランなので、家族割引の対象にはなりません。
また、これまで家族割りを受けられていたのに、誰かがahamoやon LINEに切り替えたことによって、他の家族も家族割の条件を満たせなくなってしまう場合もあるので、プラン変更を考えている人で家族割を利用している人はしっかり確認して皆さんで話し合っておきましょう。
例えば、両親と自分が家族割り対象でドコモやソフトバンクに加入していて最大の割引を受けられていたのに、自分がahamoやSB on LINEに切り替えたことで両親の料金が二人分の割引率に低下してしまうことになります。二人分で月額1,000円くらいの値上がりです。
docomo が ahamo ユーザーも家族割りの人数にカウントすると発表しました。
この家族でまとめるとお得という部分が、IIJmioのメリットになります。
IIJmioのメリット
大手キャリア格安プランよりも280円高くて、パケット料(ギガ)も12GBと少ない上に、大手キャリアと比べて通信速度が遅いというデメリットがあります。特に平日のお昼休みの時間帯など、通信が混雑する時間帯には激遅です。
また、パケットクーポン(高速ギガの使用権)を使い切った後は、最大で200Kbpsと超低速になります。
パケットの追加チャージも、大手キャリア格安プランでは1GBで500円ですが、IIJmioは100MBで200円と4倍の値段です。
こうしてみると格安SIMの方が割高になってしまいますね。ahamoがいかに破壊力のある料金プランなのかが鮮明になります。
それじゃ、IIJmioにはメリットがないのかというと、そんなことはなくて、ひとつの契約のパケットを複数のSIMで共有することができるという仕組みがあります。
例えば、ファミリーシェアプラン12GBの契約に、通話付きSIM(700円)を追加すると、家族と12GBのギガを共有して使うことができます。
もっとありがたいのは、セルラー通信モデルのiPadを購入したら、140円のSMS機能付きデータSIMを追加すると、12GBのパケットを共有して使うことができます。
さらに、IIJmioの場合はdocomo回線とau回線を選ぶことができますが、回線の種類が混ぜこぜで契約してもギガ共有の対象になります。これはIIJmioだけのサービス。
このように、複数のSIM契約をまとめて使う場合、トータルでは支出をグッと抑えることができるというのが大きなメリットです。
例えば、家族四人で音声通話機能付きSIMを契約してファミリーシェアにすると5,760円です。
そこにiPad用のSMS機能付きSIMを追加しても、SMS付きSIM140円+追加SIM料金400円が加わって6,200円です。
ahamoやSB on LINEにこのような仕組みはありませんし、大手キャリアでiPad用のSIMも含めて契約したらこんな金額では収まりません。povo については、発表時点ではiPadとパケットを分け合う仕組みを検討中としています。
楽天モバイルは存在意義が失われた
自社回線の電波に接続した場合はパケット(ギガ)の使用が無制限で2,980円という料金プラン一本の楽天モバイルですが、何にしても圏外になる場所が多すぎます。
使用可能エリアということになっている範囲内でも、ちょっとした物陰や建物の中にいる場合などにアッサリと圏外になります。
iPhone 3G 発売当初のソフトバンク回線を知っている人なら想像できるかなと思いますが、あの頃のソフトバンクが天国だったというレベルですよ。
数値上の人口カバー率が98%とかになったとしても、電波が届かない場所がたくさんあるという状況になりそうだなと感じています。
もう選択肢として考える必要はないでしょう。
という訳で、この記事では楽天モバイルは省略です。
乗り換えるべきなのか
2,980円で20GB使えて5分間の無料通話もついてくる、という料金プランはすごく魅力です。
家族4人で契約した場合の月額料金(税別)
ahamo | 11,920 | 2,980 x 4 |
SB on LINE | 11,920 | 2,980 x 4 |
povo | 9,920 | 2,480 x 4 |
IIJmio | 5,760 | 3,260 + 音声通話SIM700円 x 3 + 4枚目追加SIM料金400円 |
docomo 5Gギガホプレミア | 17,920 | 最大割引を受けた場合4,480 x 4 |
docomo 5Gギガホプレミア | 21,920 | 光回線なし5,480 x 4 |
SoftBank メリハリ無制限 | 17,920 | 最大割引を受けた場合4,480 x 4 |
SoftBank メリハリ無制限 | 21,920 | 光回線なし5,480 x 4 |
こうしてみると、最も安くなるのがIIJmioです。が、12GBを家族で分け合うことになるので、大容量プランとはいえませんね。家族全員があんまりパケット(ギガ)を使わない場合におすすめです。
ahamoとSB on LINEの場合、家族4人で月額11,920円になります。IIJmioとの値段差は6,160円/月。
結構な金額差になりますが、各自20GBずつ使えるので、合計で80GB。これは大きいですね。IIJmioでは3,000円で20GB・5,000円で30GB追加できますが、追加しても使えるギガは半分です。
ドコモもソフトバンクも、自宅に光回線を引いていれば1,500円/人の追加(4人だと6,000円)でパケット使用量が無制限になります。ひとり当たり20GBでは足りない場合はこれも選択肢にはなりますね。
povoの場合、音声通話のトッピングをつけなければ、9,920円で、IIJmioとの値段差は4,160円/月。
一人当たり1,040円の差で、使えるデータ通信の量が大きく違いますので、ここでもpovoは魅力がありますね。
Wi-Fiスポットも、IIJmioは長期間利用者特典としてエコネクト社が提供する有料サービスが無料になるというメリットがあります。これは地味にありがたい。
ただ、ドコモも d Wi-Fi というサービスを行っていて、ドコモ以外のユーザーも「dアカウント発行」「dポイントクラブ入会」「dポイントカード利用登録」という条件を満たせばWi-Fiスポットを無料で利用できます。
Wi-Fiスポットに関しては、d Wi-Fi が実質全ての人に無料で提供される状態ですね。
自分に合うのはどの料金プランか
というわけで、どの料金プランを選ぶべきかをざっくりまとめるとこうなるのではないでしょうか。
家族トータルでギガ小容量で大丈夫
IIJmio ファミリーシェアプラン
- これが一番安くなる
小容量では物足りない家族
全員がahamo・SB on LINE・povo
- LINEの送受信・通話が無料になることを重視するならSB on LINE
- データ通信量(ギガ)の自由度を重視するならpovo
ギガ使い放題じゃないと足りない家族
全員でdocomoギガホプレミア・SoftBankメリハリ無制限
家族の合計額とか考えずに個人で使う
ahamo・SB on LINE・povo
- LINEの送受信・通話が無料になることを重視するならSB on LINE
- データ通信量(ギガ)の自由度を重視するならpovo
一人でiPhoneとiPadセルラーモデルを使う
ahamo・SB on LINE・povo + IIJmio eSIMゼロプラン
- LINEの送受信・通話が無料になることを重視するならSB on LINE
iPhoneをどのプランで使うとしても、iPadセルラーモデルを追加する場合、それぞれでIIJmio ミニマムスタートプランのデータ通信専用SIM(3GB使えて900円)を追加するか、IIJmio ファミリーシェアプランを契約してデータ通信専用SIMを人数分追加する(12GB使えて2,700円+4枚目からは追加SIM手数料400円)のが良いと思います。
で、iPad の IIJmio のギガを使い切ったら、iPhoneでテザリングして凌ぐという使い方が良いと思います。
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